作品
02 瞳(ダンテ主)
不思議に思うことがある。
奏は、傍らのデビルハンターの顔をこっそり盗み見た。
ダンテの瞳の色は冴えた青。
少し灰色が混じっていて、昔行ったことのある北欧の冬の空に似てる。
だから、どちらかというと冷たい色だ。
なのに。
彼に見つめられると、奏は身も心も灼かれるかのような錯覚に陥ってしまう。
それは自分が彼に対して、特別な感情を持っていることを差し引いても、奏には不思議でならなかった。
(ダンテさんがデビルハンターで、私が悪魔だから?)
つまり、本質的に狩る者と狩られる者だからか。
でも、それは違う気がする。
つらつらとそんなことを考えていて。
ふと、思い出したこと。
(そういえば、焔の色って、赤より青の方が高温なんだっけ)
それなら納得がいく……そう思った。
戦いのときの彼は、普段のクールさはすっかり形を潜めて……そう、焔みたいだから。
激しくて、容赦のない焔そのもの。
焔ならば、灼かれるような錯覚も、当然だろう。
うん、と一人で納得したまさにそのとき。
「おい、そんなにじっと見られると孔が開いちまいそうなんだがな」
苦笑交じりにハスキーで魅惑的な声に指摘されて、はっとした。
こっそり見ていたつもりが、いつの間にかあからさまにじっと見つめていたようで。
「あ、あの……その……ご、ごめんなさい」
「別に見られたからって減るもんじゃねぇから構わないけどよ。男の顔をそんな瞳で見るもんじゃねぇぜ」
「え?」
「なんだ、無意識か?」
「私、そんな変な顔で、ダンテさんのこと見てましたか?」
奏の言葉にダンテは声をたてて笑い出し。
「そうじゃねぇよ」
くつくつと、笑みを含ませたままの声。
「そんな大きな瞳で、熱心にじっと見つめられたら……」
キスしたくなっちまうだろ。
囁きは直接唇に落ちて。
自分の顔が映ってる青い瞳に。
羞恥を感じるより先に、奏は理性が一瞬で灰になるのを感じていた。
※
ダンテさんの蒼い瞳が好きです。炎の色は赤より青いほうが高温というネタを絡ませてみました。
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