作品
02 舌(シキアキED3・R18)
アキラはシキの膝の上に乗り上げて、その美しい顔をうっとりと見下ろした。
申し訳程度に白いシャツを羽織ったあられもない姿で甘えてくるアキラを、情人は突き放すでもなくしたいようにさせていた。
様子を伺う冷ややかな眼差しはどこか楽しげですらある。
鮮血のような紅い瞳はラインよりよほど性質の悪い麻薬のようだ。
少なくとも、アキラにとっては。
「……シキィ……」
名を呼ぶ声は媚を含み、全身で男を求める。
傍にいる間は、ずっと抱いていてもらいたい。
シキだけがアキラを満足させてくれる。
シキだけが、今のアキラの生きる理由だ。
アキラはシキによって生かされているのだから。
滑らかな頬に、そっと顔を寄せた。
陶器のように白い肌は、見た目の通りひんやりとしているけれど、確かに血が通っている証なのかしばらく触れているとアキラの頬にほの温かいぬくもりを伝えてくる。
それが心地よくて、ぴたりと頬をくっつけたままアキラは目を閉じた。
そんなアキラに何を思ったのだろう。
アキラの好きにさせていたシキが動いた。
長い腕が絡めとるように腰に回され、耳元に唇を寄せる。
「アキラ」
凛と空気を震わせる美声がアキラの名を紡ぐ。
それだけで、腰の奥がジンと疼いた。
触れていた頬の感触を名残惜しく思いながらもアキラは顔を上げて、情人の顔を見つめる。
「可愛がって欲しいのか?」
「…………うん」
こくりと、頑是無い子供のような仕種で素直に頷くと、男は深紅の瞳を眇め口元に笑みを刷いた。
ただでさえ美しい顔は、わずかにでも表情を浮かべると途端に凄絶さを増す。
魅了されずにはいられない。
指の腹で唇をなぞられ、男の意図を察したアキラは従順に舌を差し出した。
するとシキもまた舌を伸ばして、アキラのそれを味わうように舐めあげた。
「……んっ」
思わず声が漏れたのは、全身に走った甘い痺れのせい。
ニコルと非ニコルの共鳴。
肌と肌が触れ合うだけでも過敏なほどの反応であるのに、粘膜同士のそれは一瞬で理性を蕩かすほど甘い。
ひとしきり互いの舌を味わった二人の視線が再び交差したときには、互いの目の中に抑えきれない欲望の火がちらついていて……どちらともなく再び顔を寄せ合い、隙間なく抱き合って官能の海に溺れていった。
※
殺伐としててもバカップル。
というか、私がバカップルしか書けないだけとか……orz
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