作品
06 腰(シキアキED2・R18)
カーテン越しの柔らかな日差しを瞼の向こうに感じてアキラは睫毛を震わせた。
全身に心地好い気怠さの残る目覚め。
ゆっくりと開いた視界に、シキの端整な顔を見つけ微笑んだ。
本当に眠っているのかどうかはわからない。けれど、あのシキが傍らで瞼を閉じ、寛いでいる風情であるのがアキラには嬉しい。
これは自分だけに許された特権だと思うと言葉にできない優越感が胸いっぱいに満ちていく。
しばらくそうして幸福を味わっていたアキラだが、いつまでもそうしているわけにはいかない。
地方で起きた反乱を鎮圧するために総帥自ら遠征に出ていた影響で、決済が必要な書類などが溜まっているのだ。シキが政務を開始するまでに、それらの書類に目を通しあらかじめ整理しておくのが秘書であるアキラの仕事なのだ。
名残惜しい気持ちはするものの、アキラはなるべく静かに身を起こしベッドの下に脱ぎ捨てられたままの衣服を手に取ろうとしかけたのだが……
「……っ」
長い腕が腰に巻きつき、アキラを褥に引き戻した。
「どこへ行く」
凛とした声が耳を打つ。
「……シキ」
困ったように名を呼ぶとアキラの支配者は、悪びれた様子もなく更に拘束するかのように胸に深く抱き込もうとする。
「シキ、放してください。政務に支障が出ます」
「黙れ。おまえは、俺と政務とどちらを優先するつもりだ?」
鮮血のような紅い瞳は剣呑な光を明滅させて物騒ではあるものの、言っていることは子供の駄々と変わらない。
「それはもちろん貴方ですが……ひょっとして寝惚けておられるのですか?そんな子供のようなことをお聞きになるなんて」
「別に寝惚けてなどいない。いまさら多少遅れたところで支障というほどのことではなかろう。なら、もう少しおまえを堪能させろ。愚か者が多いせいで、ここの所遠征続きだったからな。おまえを抱くのも久しぶりだ」
不埒な指先で腰をいやらしく撫で回し、臍に穿たれたピアスを摘みながら、シキは耳朶を舐るようにして囁いた。
山積みになっていく書類、滞る政務に右往左往する部下たちの姿が頭を過ぎったのは一瞬のこと。
アキラにとってシキ以上に優先することなどない。
溜まった仕事は、改めて片付ければいいだけだ。シキは過ぎるほどに有能だし、アキラとて彼の秘書を名乗るからにはそこそこ仕事ができる自負がある。それに常々無能な者はいらないと宣言しているのだ……自分たちがいなくてもできる仕事を自ら見つけ片付けようとしない部下が、もしいるなら処罰するだけのこと。
アキラは腰に絡む腕にそっと手を這わせ、紅い瞳を濡れた眼差しでじっと見上げる。
「……仕方のない方ですね」
吐息混じりに甘く呟いて、覆い被さってくるシキの身体をアキラは従順に受け止めたのだった。
※
個人的にED2のシキアキのコンセプトはセクハラ上司と美人秘書です(爆)。本来ならストイック感漂わなきゃいけないんでしょうが、私が書くものなのでバカップルに落ち着いてますよ(開き直った)。
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