作品
4,無理やり(桐明日・R18)
「んっ……ふ……」
籠もった声が触れ合った唇の狭間から濡れた音とともに漏れるのを押さえられない。
一方的に翻弄されないよう付いていくので精一杯だ。
明日叶は必死で桐生にすがりつく。
桐生のキスはいつも激しい。
そっと触れ合うだけで済むような軽いくちづけなんて殆どない。
そのクールな容貌からは想像できないくらい、いつだって喰らいつくさんとするかのような執拗さで、明日叶の咥内を蹂躙するのだ。
慣れない明日叶が苦しさ故に逃れようとしても、それを許さず無理強いされて続行される。
だけど明日叶はどれほど苦しくても彼とのキスが嫌いではない。
苦しさを上回る快さと、なにより求められていると強く感じることのできる喜びがある。
やがて互いに惜しむように啄み合うことを何度か繰り返して唇を放した頃には、酸欠も相まって金魚のように酸素を貪った。
潤んだ瞳でじっと大好きな人を見上げる。
すると桐生は満足げな笑みを浮かべて、明日叶の頬に手をやった。
酷薄さする感じるその笑みに、官能を刺激されゾクゾクする。
そんな明日叶を見下ろしながら、男は目を細め口を開く。
「……欲しくなったか?」
問いかけに頬が熱くなったけれど、明日叶は素直に頷いた。
ここは桐生の部屋で、今は二人きりで……なら躊躇うことなんてなにもない。
桐生によって暴かれ、開発された身体はうずうずと疼き出す。
「まったく……本当におまえは淫乱だな。だが……おまえはそれでいい」
いい子だとでも言うように、喉を擽られるとまるで彼に愛玩される猫にでもなった気分だ。
「……桐生さん」
欲情して掠れた声が恥ずかしくて目を伏せる。
「今日は機嫌がいい。たっぷりと可愛がってやろう」
冷たい声が甘い宣告を紡ぎ、明日叶は淫らな期待に震えながら抱き寄せられるまま、恋人の胸に全てを預けた。
※
桐生は鬼畜な人かと思ったら、Sっ気があるだけのとんだクーデレでしたとさ……みたいな(ツンデレというより、クーデレだと思うんだ)。わかり難い溺愛ぶりにいちいち萌える。Mっ気のある明日叶とは適材適所なカプだと思ってます。
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